多くの手順書が使われないのは、同じ理由によります。作成者自身のために書かれて いるからです。読み手が持っていない前提知識を想定し、「当然わかる」と感じた手順 を省略し、ツールの画面が変わった瞬間に古くなってしまいます。
長く使われる手順書を作るための考え方を紹介します。
記憶ではなく、実際の操作から書き始める
作業を終えたあとに書くのではなく、作業をしながら書きましょう。記憶は細かい部分 を都合よく省略します。見落としやすいドロップダウンや、メニューの二階層下に隠れた 設定などです。そして読み手がつまずくのは、まさにそうした細部です。
1ステップにつき操作は1つ
ステップの中に「そして」が含まれていれば、それはおそらく2つのステップです。読み 手が同時に2つの操作を頭に入れておく必要がある状態にしてはいけません。
画面を見せる
どこをクリックするかを文章で説明するより、対象を強調したスクリーンショットの方が 速く理解できます。文章は「なぜ」を伝えるために、画像は「どこを」示すために使い ましょう。
ツール名ではなく、達成すべき結果を書く
「請求書を承認する」という書き方は、会計システムを移行しても通用します。「NetSuite の緑色のボタンをクリックする」は通用しません。特定の画面に言及する必要がある場合 は、見出しではなく本文に書いておくと、更新の手間が小さくなります。
担当者と見直し時期を決める
担当者のいない手順書は必ず古くなります。すべてのガイドに担当者名と見直しの頻度を 設定しましょう。多くの業務では四半期ごとで十分です。見直しで問題が見つかった場合 は、業務そのものが変わったサインかもしれません。
初めての人に試してもらう
手順書の価値を測る唯一の方法は、その作業を知らない人が質問なしで完了できるかどう かです。つまずいたのであれば、悪いのは読み手ではなく手順書です。